研究方法

研究に参加した居宅介護支援事業者

MDS-HCアセスメントのデータを適切に取得するため、以下の条件を満たす居宅介護支援事業者に事業への参加を呼びかけた。

  • (1) 全利用者へのMDS-HCまたはインターライ方式による随時/定期(おおむね6か月に一回)アセスメントの実施
  • (2) ASP(Application Service Provider)方式※によるソフトの採用

以下の5法人が本事業に参加した。

※ASP方式:インターネット経由で、Webブラウザなどを通じてサーバにインストールされたアプリケーションソフトを利用する形態。入力データ自体も各パソコンではなく、ASP業者のデーターセンターに蓄積される。

研究実施体制

事業内容、情報の取扱い、費用、期間を明記した協定書を作成し、居宅介護支援事業者、介護ソフトベンダー(株式会社カナミックネットワーク株式会社ワイズマン)、財団法人ダイヤ高齢社会研究財団の3者による協定を締結した。この3者に、学術組織であるインターライ日本およびインターライ・ケア研究会を加えた研究コンソーシアムを組織した。

研究コンソーシアムの詳細はこちら

研究の手順

図2.研究の流れ

①データベースの構築

居宅介護支援事業者で、ケアプラン作成のために行われているMDS-HCおよびインターライ方式によるアセスメントのデータ※1 を、介護ソフトベンダーのサーバからダウンロードして利用者別に接合したデータベース※2 を構築しました。この際に、アセスメントデータをサーバからダウンロードするためのシステムを新たに開発しました。

②HC-QI値の算出

データベースに蓄積されたアセスメントデータから、事業所ごとに22のHC-QI値を算出しました※3 。22の評価指標は図1に示しました。また、それぞれの領域の定義(アルゴリズム)を表1に示しました。

表1. HC-QIの定義

表1. HC-QIの定義

PDFHC-QIの定義(PDF 257KB)

③ケアの適切性の見直し

HC-QIによるケアの適切性の見直しは、以下のような手順で行われました(詳細はこちら)。

  • (1) 質が低い可能性のある領域を把握する
    事業所ごとにHC-QI値が高い(ケアの質が低い)分野、低い(ケアの質が高い)分野を特定します。
  • (2) HC-QIの分子に該当した利用者を特定する
    事業所のHC-QI値が高かった領域に関して、その領域で分子に該当した利用者を特定します。
  • (3) ケアの適切性を検討する
    特定した利用者に関し、ケアの適切性の見直しを行います。

④見直しアンケートの提出

HC-QIに基づくケアの適切性の見直しおよびHC-QIの有用性に関するアンケートに回答してもらいました(図3)。

図3.ケアマネアンケート(例)

図3.ケアマネアンケート(例)

PDFケアマネアンケート(例)(PDF 248KB)

HC-QIおよびインターライ方式の詳細は下記のインターライ日本ウェブサイトもご参照ください

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