6月17日にASPIC・インターライ日本の主催により、セミナーイベント「クラウドサービスによる地域ケアの新たな展開―MDSからインターライ方式へ-」を開催いたしました(会場:AP浜松町)。
講演とパネルディスカッション
セミナーの前半には講演とパネルディスカッションが行われました。今後ますます重要となる地域ケアにおける多職種連携の現状と課題について、4名の有識者が講演を行いました。また、講演を受けたパネルディスカッションでは、今後の地域ケアの在り方等に関し、活発な議論が行われました。
講演者と講演テーマ
池上 直己
インターライ日本理事長、慶應義塾大学医学部教授
「医療、介護現場でのインターライクラウドの活用」
地域包括ケアにおける多職種協働のための共通言語としてのインターライ方式の活用方法を解説した。また、MDSからの主な変更点として、居宅・施設・高齢者住宅のためのアセスメント表が体系化されたこと、CAPがより精緻化されて問題が絞り込みやすくなったこと等を挙げた。
当日の資料はこちらから閲覧できます
都 直人
医療法人社団愛優会理事長
「利用者情報の共有と多職種間連携」
東アジアの高齢者向け施設で初めてJCIの認定を受けた、愛優会の老健施設「リハビリよこはま」での取り組みなどを中心に紹介した。老健では多職種が働いているため、共通言語(コモンセンス)が重要である。全ての職種が共通言語として使うことができ、課題の優先度を検討する際の科学的根拠を示してくれるインターライ方式の活用により、今後より一層質の高いケアを提供していく。
小早川 仁
株式会社学研ココファンホールディングス代表取締役社長
「サービス付き高齢者住宅でのシームレスケア対応」
今後より一層のニーズの増加が予想されるサービス付き高齢者向け住宅への学研ココファンの取り組み。サービス付き高齢者向け住宅において入居者が利用する医療・福祉サービスは幅広い。共通言語を使用することで、それらのサービスとのスムーズな連携を図ることが重要である。
小野沢 滋
亀田総合病院・前地域医療部長
「情報共有の地域への発展」
亀田総合病院での取り組みを中心に、地域ケアにおける情報共有に関して講演した。今後の都市部の高齢化に対処するためには、少ない資源をいかに有効に使うかが重要である。亀田総合病院では2005年ころから地域資源情報、グループ内情報の統合化などによって「地域を統合する」試みを行ってきた。その際の情報共有には共通言語が必要であり、インターライ方式は最適なツールである。
パネルディスカッションの様子
インターライ方式クラウドサービスの操作演習と事例検討
後半は、エヌ・ティ・ティドコモのタブレット端末「Galaxy」を使ったインターライ方式クラウドサービスの操作演習と事例検討を行いました。インターライ方式はクラウドサービスとして提供されるため、タブレット端末とインターネット接続環境があればいつでもどこでもアセスメント入力することが可能です。また、アセスメント時に画面上でマニュアルやCAP本文を読むことが可能になるなど、実用的な機能を備えています。
演習の様子