MDS方式から何が変わったか | インターライ日本

MDS方式から何が変わったか

今まで述べてきたような仕組みは「MDS方式」でも用いられていたが、「インターライ方式」では、その仕組みを発展させる開発がなされ、“切れ目のないケア”の実現によりいっそう活用できるアセスメント方式となった。ここでは、インターライ方式で改善された主な事項を紹介する。

 

アセスメント項目の共通化

MDS方式では、施設版・在宅版・高齢者住宅版など、さまざまな場に対応した版が別に存在したが、インターライ方式では全体を再構築し、利用者の居住場所を問わずに全版共通に用いる項目を「コア項目」とし、それに各版にそれぞれ必要な「固有項目」を追加するモジュール形式を採用した。表1で示したとおり、コア部分が大半であり、たとえば居宅版では「退院・退所の可能性」はないが、(家族などの)「支援状況」と「環境評価」が追加される。一方、高齢者住宅版では、該当する領域はコア部分に限られている。

このように3つの版を再構築したことにより、アセスメント項目のさらなる共通化が図られ、さまざまな居住場面において利用者を共通の“ものさし”でアセスメントすることが可能となっている。

 

CAPの一本化と精緻化

これまで在宅版のCAPと、施設版のRAP(Resident Assessment Protocol)に分かれていた指針を、CAPとして一本化した。これにより、切れ目のないケアプランを作成するうえで、課題の検討がいっそう行ないやすくなった。2で示したとおり、大部分のCAPはいずれの版においても適用されている。

また、同時にCAPトリガーが精緻化され、必要に応じて「問題解決のためのトリガー」「悪化の危険性を低減するためのトリガー」「改善の可能性を高めるトリガー」というように、トリガーに2つ以上のレベルを設定した。したがって、異なるアプローチが必要である利用者の状態に対し、より精緻な課題分析が可能となっている。

 

「日本版」独自の工夫

このような大幅な刷新に加え、2011年11月に発表された「日本版」のインターライ方式ケアアセスメントでは、以下のとおり独自の工夫を行なっている。

  • オリジナル版では、アセスメント表の項目記号は、セクションも含めて施設版・在宅版など各版によって各々異なっているが、日本版では統合して同じにした。
  • 上記に合わせて記入要綱も1冊の本にまとめ、各版に固有な箇所については色枠で囲むなど、汎用性と使い勝手をいっそう高めた。
  • オリジナル版ではCAPは別冊であったが、日本版ではCAPも含めて1冊にまとめた。
  • 日本でこれまで刊行されていなかった「高齢者住宅版」も合わせて1冊にまとめた。なお、同版は居宅・施設の中間に位置づけられ、入居者の生活を評価する項目としてインターネット活動への参加などの独自な項目も加えられている。

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